お金にまつわるコラム 借金滞納

借金の取り立てが許される時間は何時まで?

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借金の返済を延滞すると、金融機関から電話督促や訪問回収に来られますね。

以前より減ったとはいえ、常識では考えられない時間に来られたりした経験を持つ人がいるかも知れません。

借金の取り立てが許される時間は、何時までなのかについて詳しく解説します。

 

 

 

借金の取り立てが許される時間は朝8時から夜9時まで

債権者は正当な理由があり、また常識の範囲で、債務者等へ電話やFAX、訪問が許されているのは、午前8時から午後9時の間と定められています

 

借金の取り立てが許される時間は法律で決まっている

消費者金融や信販会社は、貸金業法という法律をベースにして営業を行なっています。

そのためこの法律に反した取り立ては出来ません

 

貸金業法は、取り立て可能な時間や取り立ての方法について詳細な規定があります。

これに違反すると違法ですから、債権者は最悪で営業停止処分を受ける場合があります

 

規定はいくつかあるのですが、債務者がまず知っておいたほうがよいのが取り立て可能な時間帯で、これは午前8時から午後9時までの間に決められています。

(引用:貸金業法21条1項1号)

この規則の条文は、「午後9時から午前8時までの間、債務者等の居宅を訪問すること等を禁止しています」とあるので、

 ・午後9時から午前8時までの夜間や早朝に取り立てはできない

 ・「訪問すること『等』を禁止」なので、電話・FAX・Eメールなどすべての接触はできない

となります。

 

条文では「居宅」とされているため、勤務先へは来られるのではないかと心配になりますが、

債務者が住所を引き払って居所がわからないなどの正当な理由がなくては、債権者は勤務先へ連絡,訪問は許可されておりませんから、同じく午後9時から午前8時の間に取り立て行為はできません。

 

このように貸金業法はわかりやすく言うと、債務者の私生活や仕事に支障が出ないように取り立てに制限を掛けています。

なお、弁護士が債務者からの債務整理手続きを受任し、貸金業者が「受任通知」を受領すると、貸金業者から債務者への取り立てはすべて止まります

貸金業者から債務者へ直接請求する行為を禁じられるためです。

(引用:貸金業法21条1項9号)

 

 

業者じゃなく個人どうしの貸し借りでも違法な取り立ては禁止

個人間のお金の貸し借りの取り立てで適法とされているのは、次のとおりです。

 

 ・電話もしくは面会によるもの

 ・内容証明郵便などでの支払い督促

 ・連帯保証人への返済督促

 ・裁判・強制執行

 

業者でない個人での貸し借りの上限金利は、利息制限法を超える金利の出資法の上限金利が適用されることがあります。

 

 

 

借金取り立てでの禁止されている行為

取り立てが許される時間帯外に電話・FAX・訪問すること

貸金業者の取り立て行為が許される時間は、午前8時から午後9時の間です。

ただし、曜日・祝祭日などは関係しません。盆でも正月でも時間内なら取り立て可能です。

 

支払いや連絡を約束しているのに電話・FAX・訪問すること

債務者が連絡してほしい時間を設定していて債権者が了承している、または支払いを申し出ているのに、約束の時間より前に電話やFAX,訪問などの手段で督促は出来ないきまりになっています。

 

職場など家以外の場所へ電話・FAX・訪問すること

正当な理由がないにもかかわらず、勤め先や自宅以外の場所に電話を掛けたり、電報を送ったり、FAXを送ったり、訪問したりして督促することはできません

 

家や職場に居座って立ち退かないこと

債権者が、債務者の自宅や勤め先等にやってきて「帰って欲しい」と告げているのに退去せず居座ることは禁止されています。

 

 

貼り紙やカンバンなどで借金のことを外部に知らしめること

貼り紙や立看板等で、「借金を返せ」「泥棒」といったことを掲示して、プライバシーを侵害することは禁止されています。

債務者は、名誉毀損で訴えることもできます。

 

他社や他者から借りて返済するよう要求すること

第三者や他の貸金業者などから借金してでも返済するように迫るのは、禁止されています。

 

債務者本人以外の人に返済するよう要求すること

債務者本人以外の保証人でもない親や兄弟、配偶者などに対し「代わりに借金を支払え」と要求することは、禁止されています。

 

取り立てに協力を拒否した人にしつこく協力を要求すること

親、兄弟、配偶者等が、債務者の居場所を把握していない,あるいは取り立てに力を貸せないと申し出ているのに、しつこく協力するよう迫ることは、許可されていません

 

弁護士介入の後も債務者本人へ電話・FAX・訪問すること

弁護士が介入しているにもかかわらず、債務者本人へ電話、FAX、訪問することは、禁止されています。

 

 

 

違法な取り立てへの対処方法

違法な取り立てへの対処方法について解説します。

 

警察へ相談する

取り立て行為のなかには、犯罪に相当する行為が存在します。脅迫や強要がそれにあたります。

被害に遭ったケースでは、迷わず警察に通報しましょう。

ちなみに刑事訴訟法213条に「私人逮捕」という制度がありますので、活用するのも手です。

「私人逮捕」とは、脅迫や強要をその場で行なう,または行ない終わった者に対しては、警官ではない一般人であっても現行犯逮捕ができることです。

のちに警官が現れたら、すぐさま警察(または検察)に引き渡すことが重要です。

 

弁護士へ相談する

弁護士に相談した場合は状況によりますが、取り立ての抜本的な問題を解決するためにも、債務整理を提案されると思います。

弁護士が債務整理を受任すると、貸金業者から債務者へ取り立てがいかないからです。

 

 

貸金業協会へ相談する

日本貸金業協会とは、貸金業法に基づいた自主規制機関で、内閣総理大臣の認可により設立された機関です。

貸金業のきちんとした運営のために設けられています。

 

協会の業務の一つとして、金銭貸借に関してのトラブルになった時に苦情を申し述べることができ、解決しない時には、裁判外紛争解決手続き(ADR)の異議申し立てをすることができます。

 

金融庁(財務局)へ相談する

貸金業を監督しているのが金融庁になります。金融庁は、貸金業から金融サービスを受けている人に対し、「金融サービス利用者相談室」を設けて相談を受け付けています。

 

相談では、解決に向けてその他の機関の紹介や、論点の整理をしてくれるアドバイスをしています。

ただし、あくまで相談までで、あっせん・仲介・調停などは行なっていません。

 

相談する際に注意する点

借金の取り立てのトラブルについて相談する際には、いつ・どこで・どの業者から・どのような行為があったことを整理して臨まれるとよいでしょう。

また、音声や画像など証拠になるものがあれば、それをすぐに取り出せる状態が望ましいです。

 

 

 

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