債務整理を弁護士に相談する際に必要なもので準備しておきたいもの
相談のときに必要な書類と用意の方法
身分を証明する書類
「相手に名乗らせるときはまず自分から名乗る」と言われるように、弁護士に相談するときは自分自身のことを証明しておく必要があります。
そのため自身のことを伝えるための書類などは、必要なものを一緒にもっていくようにしましょう。
ここで必要となるものは、免許証や保険証などの身分証明書となるものや住民票などです。
所有するクレジットカード、消費者金融のカード類
自身が所有しているクレジットカードや消費者金融のカード類がありましたら、できるだけ用意しておきましょう。
弁護士にはじめて債務整理の依頼をするときは、手元にあるカードを提出すれば問題ありません。
債務整理をするときだけでなく、債務整理後も信用情報機関に個人情報が登録されるため、これらのカードは使用できなくなります。
基本的には所有しているすべてのカードを提出することが望ましいので、普段使用しない自宅で保管しているカードも提出してください。
債権者,貸金業者の一覧(個人間貸借,ヤミ金含む)
もしも債権者や貸金業者が思い出せない場合は、信用情報機関に問い合わせてください。
信用情報機関に登録された個人情報は外部からは閲覧できませんが、本人からの問い合わせであれば開示してくれます。
なお信用情報機関は「日本信用情報機構(JICC)」、「シー・アイ・シー(CIC)」、「全国銀行個人信用情報センター」の3つがありますが、情報を共有しているので3つのうちの1つに問い合わせれば大丈夫です。
債務に対する保証人の有無
債務者が債務整理を行なうと、借金をするときに設定した保証人に対して一括返済要求が行くため、保証人にも少なくない影響を与えます。
場合によっては債務者だけでなく、保証人も債務整理をしなければいけないことにもなります。
そのため借金に保証人がついている場合は、その旨を弁護士にしっかりと伝える必要があるので注意してください。
すべての銀行口座の預金通帳
自身が所有している銀行口座の預金通帳はすべて記帳を済ませて、弁護士に提出しましょう。
債務整理の個人再生をするときに重要となります。
個人再生では、減額して残った借金額と同等の資産しか持てないという制限があります。
たとえば400万円の借金を減額して50万円にしたときは、預金も50万円までしか持てません。
上限を超えた預金は返済のために没収されてしまいますので、気をつけてください。
またすぐにお金を引き出すことも考慮し、預金通帳と一緒に印鑑も用意しておきましょう。
給与明細などの収入証明
債務整理の中でも任意整理や個人再生は、借金が全額清算されないため、ある程度の金額は自分で支払わないといけません。
そうしたときに給与明細や収入明細が必要となります。
源泉徴収票や給与明細などから自分の収入および返済可能額を割り出して、そこから減額する借金の金額や月々の返済額を計算していきます。
なお人によっては源泉徴収票をどこかにやってしなって、無くしてしまったという人もいるかもしれません。
そうした人は会社など源泉徴収票を発行したところに掛け合って、再度発行してもらうようにしてください。
発行元の忙しさなどによって変化しますが、一般的には1日から2週間ほどで源泉徴収票は再発行されます。
不動産や債券、自家用車などの財産の一覧
債務整理のなかでも自己破産や個人再生などは、借金の元金を減らしたりゼロにできるのですが、その際に一定額以上の資産を売却し、得た利益を返済に当てる必要があります。
不動産や債権、自家用車など、売却したらそれなりの額が得られそうな資産をもっている場合は、正直に伝えるようにしましょう。
保険やその他のローン残債状況
債務整理をするものとは別に保険やローンを抱えていた場合は、包み隠さず弁護士に相談してください。
任意整理では清算する借金としない借金を選べるので、残す借金と残さない借金を識別する上でも重要となります。
さらに債務整理をする弁護士は残すローンも踏まえて返済計画を立てるため、もしもローンの返済があることを伝え損ねると返済計画そのものが狂ってしまう恐れもあります。
場合によっては残しておきたいローンも清算しなければいけないことにもなります。
また弁護士は依頼人との信頼関係が最も大切となる職業です。
そのため依頼人から嘘をつかれたり、情報を意図的に隠されたりすると、信頼関係が作れないと判断し、依頼を拒否することがあります。
このような事態を防ぐためにも情報はすべて伝えるようにしなければいけません。
住宅ローン
債務整理の1つである自己破産をするときに、借金とは別に住宅ローンを抱えていた場合は必ず弁護士に相談しましょう。
理由は「自己破産時に清算する借金が増える」ことがあるからです。住宅ローンの返済中の場合、住宅の所有権は本人ではなく、お金を貸している金融機関となります。
自己破産をすると住宅も手放すことになるため、金融機関は住宅を売却し得たお金で住宅ローンを相殺します。
それでも余ったお金は、借りた側の借金となるため、こちらも一緒に自己破産で精算しないといけません。
住宅ローンの有無を伝えないと弁護士の手間が増えてしまうこともありますので、もしも住宅ローンを抱えている場合は忘れずに伝えうようにしてください。
自動車ローン
自己破産をすると住宅が売却されてしまうのと同じく、状況次第ですがクルマも売却することになります。
売却時にもしも自動車ローンが残っていた場合は、クルマの売却額と自動車ローンの相殺が行なわれ、残ったローンの金額がそのまま本人の借金となり、清算対象となります。
原則的にクルマは自己破産すると売却されることになりますが、仕事などでどうしても欠かせないという場合に限り所有し続けることも可能です。
生命保険、自動車保険ほか
生命保険や自動車保険など任意で加入した保険も積立方式であれば、強制的に解約される恐れがあります。
とくに債務整理の1つである自己破産は20万円以上の資産はもてないため、保険の解約は強制となっています。
ただし解約できる保険は任意のものに限定されており、入ることが義務付けられている保険に関しては解約されません。
さらに行う債務整理が任意整理であれば保険の解約は必要ないので引き続き保険への加入も可能です。
書類がすべて準備できなくても債務整理の相談は可能
債務整理の相談は少しでも早めがよい
借金返済に困ったときはなるべく早く弁護士に相談するようにしてください。
早めに相談するのは「借金が雪だるま式に増えていく」ことから、時間がたいへん貴重になります。
借金は返済すれば確実に減りますが、何もしないと遅延損害金が発生するため、減るどころかどんどん増えていきます。
早いうちであれば経済的にも心理的のも余裕があるのでダメージを最小限に抑えることができます。
弁護士に相談するときは準備しておくと、以降の作業を効率よく行なえますが、あとから用意するのでも充分ですのでまずは相談しましょう。