借金の残債があり、それも苦しいので生活保護の申請を検討してるけど、借金の返済に生活保護費を充てられる懸念がある場合、受給できないって聞いた方たくさんいらっしゃいません?
現在、生活保護費は借金があっても給付を受けられます。
その他、生活保護と借金のことを説明していますので、最後までお読みください。
目次
生活保護費で借金返済はNGなの?
生活保護費で借金返済すれば、最悪保護打ち切りも
生活保護費を借金返済に充てることはできません。
生活保護を申請して得られる生活保護費は生活を維持する目的で支払われるお金であり、使用用途は家賃や日常生活に関するものや医療サービス,教育費などに限定されており、借金の返済には使えないからです。
もしも生活保護費を借金返済に使用してしまうと「不正受給」とみなされ、使用した金額の140%分を返済させられたり、最悪生活保護自体が打ち切られたりすることもありますので、注意してください。
少ない額の返済なら可能なこともあり
生活保護費を借金返済に充てることは原則不可能ですが、1万円など少ない金額であれば返済に使用できます。
支給された生活保護費は全額使い切らないといけないというものではなく、節約などによって余れば貯金をしたりちょっとした贅沢に使用したりすることは可能です。
余った生活費であれば基本的に持ち主の自由に使えるので、借金返済にも活用できます。
節約によって作れるお金は少ないかもしれませんが、借金返済に使えることには代わりありませんので生活保護下で借金をどうにかしたいときは、節約に励むのもよいかもしれません。
なお余った生活保護費を貯金することは裁判所でも認められている行為ですが、使用目的もなく一定金額以上貯めてしまうと、生活保護費を減らされたり支給が廃止されたりする恐れがありますので気をつけてください。
生活保護費は差し押さえられることはない
借金返済が滞ってしまうと、債権者側は裁判所に働きかけて財産や給料の差し押さえをしてくることがあります。
ですが生活保護費に関しては差し押さえの対象外になっていますので安心してください。
生活保護費自体が日常生活を自力で送るのが困難な人に対して用意されたお金であり、もしも生活保護費を差し押さえられてしまうと債務者の生活が立ちゆかなくなる恐れがあるため、差し押さえの対象外となっています。
ただし生活保護費は差し押さえ対象外ではあるものの、振り込まれた後の生活保護費は銀行預金とみなされ差し押さえられることがあるので注意しましょう。
この場合、差し押さえられた銀行預金が生活保護費であることを裁判所で証明すれば、差し押さえが解除されるようになります。
借金がある場合、生活保護は受けられないの?
借金があっても、生活保護費は受給できる
「借金があると生活保護費が受け取れない」と懸念している人は多いですが、実際のところ借金があっても生活保護費は受給できます。
生活保護には受給資格としては「国の定める基準の最低生活費に、収入が満たない」をはじめ「売却できる余剰資産がない」「怪我や病気、障害などによって働けない」「公的制度を利用しても一定以上の収入にならない」「支援してくれる親族がいないこと」などがあり、「借金がない」という項目は受給資格の中に存在していないためです。
また生活保護を受けるということは事実上「借金が返せない」ということになるので、生活保護費を受給するようになると借金取り立ての手が緩みます。
ただし債務整理をしていないと借金そのものはなくなっておらず、利息や損害遅延金などは発生しますので気をつけてください。
仕事をしていても、生活保護費は受給できる
生活保護を受給する条件に「怪我や病気、障害などによって働けない」とあるため、働いている人は受給できないのでしょうか。
実際には働いている人であっても受給は可能です。
生活保護は健康的かつ文化的な生活をするために行なわれる制度なので、国の定める基準の最低生活費と比較して収入が不足している場合は、文化的な生活が送れないことになるため、生活保護を受けられるようになります。
具体的な金額は自治体によって変わりますが、もしも働いているが低収入で生活に支障がでているときは生活保護の申請をしてみてください。
生活保護と借金
- 借金があっても生活保護は受けられる
- 生活保護を受給しながらの借金返済は少額なら可能
- 新たな借金は収入とみなされて生活保護打ち切りもあり
生活保護を受けながら新たに借金ってできるの?
借入は収入とみなされ、最悪保護打ち切りも
生活保護を受けている状態で借金することは、できるだけ避けてください。
収入があると受け取れる生活保護費が削られるように、借金をすると入手した金額に合わせて得られる生活保護費が削られるようになります。
たとえば生活保護費として15万もらっている方が10万の借金をした場合は、「15万−10万=5万」の5万円分しか生活保護費を受け取れないということになります。
生活保護費を差し引かれるだけならまだよいですが、最悪生活保護そのものが打ち切られることもあるので注意が必要です。
「借金したことをケースワーカーなどに話さなければ問題ないだろう」と思う方もいるかもしれませんが、生活保護の管理をしている福祉事務所では金融機関での口座を調査する権限ももっているため、借金をしてお金を手に入れたらすぐに発覚してしまいます。
なお親族の葬式が海外で営まれるなど、生活保護費の範囲を超えた出費が発生してしまう場合は借金が認められています。この場合はやむを得ないものとみなされるので、生活保護費が減らされることもありません。
簡単に貸し出すヤミ金に手を出してはダメ
生活保護中に借金をするのはよくないですが、とくに法外な利息を設定している「ヤミ金」には絶対に手を出さないようにしてください。
利息が高いヤミ金は「簡単にお金を貸してくれる」という特徴を持ちます。
もともと金融機関や消費者金融で貸し出ししてくれない人を相手にしていることから、来る人拒まずという姿勢をとっているからです。
そのため借金に困っている人ほどヤミ金に手を出してしまうことが多く、同時に苛烈な取り立てを受けることになるので、精神面で深刻な問題を抱えてしまうことも少なくありません。
自らの収入で日常生活を送っている人でもヤミ金と関わるとよいことはなく、生活保護を受けている方ならばなおさらです。
生活が苦しいとしても、絶対にヤミ金には手を出さないようにしましょう。
生活保護中の借金問題解決は、専門家に相談し債務整理を
生活保護費を借金返済に充てることはできないので、生活保護中に借金問題を解決したい場合はどうすればよいでしょうか。
解決方法の1つ目は「ケースワーカーに相談する」という方法です。
生活保護をするとケースワーカーがつくので、まずは彼らに相談してみてください。
ただしケースワーカーは生活保護の専門家であっても借金問題の専門家ではありません。
そのため借金の金額が少ないにもかかわらず自己破産を勧めてくるなど、適切なアドバイスがもらえない可能性もあります。
2つ目の解決方法は「弁護士などの専門家に相談する」というものです。
借金問題に関して強い弁護士たちに相談して、個人再生や自己破産を行なうことで借金問題の解決を図ります。
ケースワーカーとは異なり弁護士などの専門家は借金問題に関して深い知識を持っているため、適切なアドバイスをしてもらえる可能性が高いです。
相談や債務整理の依頼をすると費用が発生しますが、分割払いにも応じてくれるので、費用を含めて相談することをオススメします。
総じて借金問題を抱えたときはケースワーカーよりも、弁護士など専門家に相談したほうが借金問題を解決できる可能性が高いです。
借金で困ったことがありましたら、弁護士など債務整理の専門家に相談しましょう。