借金の返済が苦しいので任意整理を考えているけど、弁護士に依頼するのにまとまったお金がない人は、こちらの記事をぜひ最後までお読みください。
目次
任意整理にかかる費用は後払いまたは分割払いもできる
弁護士の活動は慈善事業ではなく営利事業なので、任意整理の依頼をすると弁護士費用が発生します。
一般的に任意整理を行なうときは、弁護士への費用を支払った後に債権者へ借金の返済をしていきます。
ですが任意整理を行なう人はお金が充分になく、弁護士費用を用意できない人もいるかもしれません。
そうした場合はどうすればいいのでしょうか?
弁護士も依頼人のそういった事情は理解しているので、一括で支払えないことを伝えれば後払いや分割払いを提案してくれます。
また債権者へ現実的に返済していける金額になるように、分割払いで1回あたりに支払う金額を設定してくれるので、まずは相談しましょう。
任意整理にかかる弁護士費用の内訳とその相場
弁護士費用にはいくつか種類があり、その1つが「相談料」です。
借金のことを相談したときに発生する費用で、30分あたり5,000円ほどの料金がかかります。
できるだけ相談する内容の要点をまとめて30分以内に済ませたいところです。
しかし債権者の数や取引の長さや相談者の現状把握の度合いによって、任意整理をしたときの結果のシミュレーションをしたり過払い金の計算などをする都合上、30分以内で済むケースはほとんどなく、大体は1時間ぐらいはかかります。
2つ目は「着手金」です。
弁護士へ任意整理に依頼をしたときにかかる初期費用のことで、2万円から5万円ほどが一般的な相場となっています。
着手という名前という名前が示すとおり、任意整理の仕事へ着手したときにかかるお金なので、任意整理に失敗したり依頼をキャンセルしても着手したことには変わりないため戻ってきません。
ただ、相談者が虚偽の申告などをしないかぎり、弁護士が任意整理で失敗するケースはほぼないと思っても構いません。
3つ目は「解決報酬金」で、任意整理に成功したときに発生する費用です。
案件の内容によって料金は代わりますが、任意整理の場合は1件あたり2万円以下となっています。
借金問題を解決できた金融機関の数に応じて報酬が発生するので、任意整理の対象となっている金融機関が多いほど、支払う金額が増えるようになっています。
4つ目は「減額報酬金」という、任意整理をする前と後で比較し、減額できた金額に対して発生する費用です。
報酬率は法律によって10%と決まっており、もしも任意整理によって借金の総額が200万円から150万円に減った場合、「(200-150)×0.1=5万円」が減額報酬金となります。
「減額報酬金」は「解決報酬金」と名前が似てますが、こちらは減額した金額に応じて発生する費用なので、任意整理できた会社の数は関係ありません。
任意整理にかかるお金
- 相談料 30分 5,000円ほど
- 着手金 20,000~ 50,000円ほど
- 解決報酬金 1件あたり 20,000円ほど
- 減額報酬金 減額分の10%
任意整理手続きの流れと費用支払いのタイミング
任意整理はいくつかのステップが存在しており、最初のステップが「事前相談」です。
直接、弁護士事務所に出向いたり、電話などで借金に関する相談をすることであり、事前相談をすると時間に応じて費用が発生します。
次のステップは「任意整理の契約」です。
債権者に対して弁護士を債務者の代理人とすることの契約を行ないます。
契約が完了すると着手金が発生しますのでお金を用意しておきましょう。
3番目のステップが「受任通知の送付」です。
依頼人が何かをする段階ではありませんが、弁護士から金融機関へ債務者の代理人を受けたことと任意整理を行なう旨の内容が通知されます。
通知がなされると任意整理によって解決するまでは返済を停止できるので、後から必要な弁護士費用や債権者へ支払っていく返済のお金をためておきましょう。
借金の返済を銀行からの自動引き落としで行なっている場合は、自分でストップさせる必要がありますので、忘れずに手続きしてください。
最後は「任意整理の交渉締結」です。受任通知の送付後に弁護士と金融機関で任意整理に関する交渉が行われ、借金の総額や月々に支払う金額が決まります。
以降は、交渉締結後の返済計画に沿って、債権者へ返済をしていきます。
任意整理に成功により、弁護士へ支払う解決報酬金と減額報酬金が決まります。
お金がなくて弁護士費用が払えないときの対処方法
分割払いの回数制限と金利・手数料について
弁護士費用は分割払いを認めているといえど、長期にわたる回数設定は行なえません。
一般的には6回から12回ほどの分割が相場です。
ただし一律で決めているわけではなく全体の費用や依頼人の財務状況などを考慮して設定してくれます。
弁護士費用に関しては、金利や手数料は基本的に発生しないので、分割払いにしても総支払い金額が増えることはまずありません。
分割払い中に支払えなくなってしまったら
弁護士費用を分割で支払っている最中に支払いができなくなる場合もあるでしょう。
会社が倒産して収入を得る手段がなくなったり、事故や病気によって収入が激減したりする場合などです。
弁護士費用を分割で支払っていくのが困難になったときはどうすればいいのでしょうか?
まず任意整理を依頼した弁護士に相談するようにしてください。やむを得ない事情がある場合ならば、費用をまけてくれたり返済に猶予をくれたりします。
また、民事法律扶助制度を利用するという方法もあります。
民事法律扶助制度とは国が設立した日本司法支援センターで行なっている司法支援制度です。
支援の仕組みの中に、「代理援助」という弁護士費用の立て替える仕組みがあります。
立て替えなので後の返済は避けられませんが、弁護士への分割支払いを継続できます。
分割払い中に支払えなくなったときに一番やっていけないことは「何もしない」ことです。
突然連絡が取れない状態にしたり、相談なく滞納したりすることは絶対に避けてください。
こういった態度をとると弁護士が辞任し、債権者との任意整理による再契約が解除されてしまいます。
任意整理での減額条件も反故となり、金融業者はもとの条件で元利合計を算出しなおして、その金額の督促を受けることになります。
分割での弁護士費用の支払いに困る状況が起きたときは、なるべく早く弁護士に相談しましょう。
後払いなら先立つものは相談費用だけ
「任意整理をしたいけれど、いまお金がまったく無いからムリ」と悩んでいないでしょうか?
任意整理はたしかに「着手金」や「解決報酬金」などの費用が発生します。
ですが相談費用以外は後払いにできるので、今、お金がない人でもまず相談費用だけで行なうことが可能です。
弁護士が受任したら債権者への返済を停止できる期間がうまれるため、返済のお金を弁護士費用に充てることができます。
弁護士へ費用はほとんど後払いできますが、任意整理の契約をする前に発生する「相談費用」は後払いができないので、そのお金は用意しておく必要があります。
任意整理の費用がないからと借金を放置せずすぐ弁護士に依頼を!
借金の返済が苦しいときは、任意整理で負担を減らすようにしてください。
借金は返していけばいずれ完済できるものの、途中でつまづくと借金を放置することになり、損害遅延金が発生するなど完済への道がますます遠くなる事態になりかねません。
任意整理で負担を減らすことに考えが及んでも、借金を抱えているとどうしても弁護士費用が気になってしまうかもしれません。
任意整理をすれば、弁護士へ支払う費用以上に借金が減額される効果が期待できるのに加えて、懸念である弁護士費用も分割や後払いにできるので、今後の負担は少なくできます。
借金返済のためにあらゆることをあきらめたりするのもよいかもしれませんが、苦しさを感じていたら、一度弁護士に相談し、任意整理の依頼を検討しましょう。