お子様の将来を考えて、少しでも優秀な学校へ進学させたいから塾へ通わせている,あるいは、スポーツの競技や芸術の分野などで秀でた才能があるから教室に通わせている,といった親御さんはたくさんいらっしゃると思います。
ただ、ほかに借金があり収入をその返済に充てると、お子様の塾や教室に支払う月謝のお金が工面できないことがあるでしょう。
月謝を滞納すればどうなるか?また滞納した時の対処の方法を書いていますので、最後までお読みください。
塾の月謝を滞納すると退塾から最悪は財産の差し押さえになる可能性も
滞納しはじめてから退塾までの期間は2~3ヵ月
塾の月謝を支払わないにもかかわらず、塾に通わせ続けることはできません。
塾側も講義を受けに来ている生徒にさまざまなことを教える代わりに月謝をいただく、というビジネスを展開しています。
月謝が支払えないところが多くなると、塾にいる講師や事務員たちの給料だけが支払えなくなるなど、営業そのものに支障がでます。
また月謝の滞納をそのままにしていると、月謝をきちんと払っている人たちにも示しが付きません。
そのため大抵の塾では2ヶ月から3ヶ月ほど月謝を滞納すると退塾させるようにしています。
退塾の被害を受けるのはお子様なので月謝は毎月忘れずに支払うようにしてください。
滞納しはじめてから財産差し押さえまでに至る流れ
月謝の滞納が起きたとしてもすぐに差し押さえが起きることはなくいくつかのプロセスを得てから発生します。
最初におこなわれるのが「塾側からの督促」です。
塾のスタッフから支払いの電話がきたりや督促状の送付が行なわれたりします。
塾からのアクションを無視していると今度は「内容証明郵便で督促状が送付される」ようになります。
内容証明郵便で送付されるのはこのあとに行なう法的措置のための布石です。
「月謝を支払ってもらいたいが、相手が支払うのを拒否している」ということをアピールするのに内容証明郵便が用いられます。
督促状に対応して返済すれば何事もなく終了となりますが、無視していると今度は法的措置として裁判所から「支払督促」という督促状が送付されます。
支払督促が塾から送付された督促状と違うところは「無視すると差し押さえが発生する」という点です。
送付されてから2週間以内に異議申し立てなどしないと「裁判所からの通知を無視した」ということになり、財産や給料が差し押さえが起きてしまいます。
なお給料の差し押さえ行なわれても解雇されることはありませんが、周囲の心象が悪くなるので差し押さえが起きる前に何かしらの対策をとるようにしましょう。
塾や習い事の月謝の未払いにも時効がある
あまり知られてはいませんが塾や習い事で支払う月謝にも時効というのが存在しています。
最後に支払いをしてから2年以上が経過すると時効が適用され、債務者側が時効援用手続きをすることで支払い義務が消失します。
消費者金融などからの借金の時効が5年と比べて、塾などの月謝は時効になるまでの期間が短いのが特徴です。
ただし2年という月日は中学1年生のお子様が3年生になるまで塾に通えないということを意味しているので、一概に短い期間ともいい切れません。
また月謝の時効は2年きっかりとは限らないので注意してください。
塾側が裁判所をつかって使って督促状を出すなどの法的手段が行なわれると、時効の期間がリセットされるからです。
時効の援用が債務者の権利ならば、裁判所を使った事項のリセットは債権者側の権利といってもよいでしょう。
月謝を支払えない時の対処法
塾や教室に事情を話し相談する
「月謝を支払いたいけれど、今月はあまりお金が残っていないから支払えない」という場合は、月謝を滞納する前に塾や教室の方に相談するようにしてください。
相談する目的は塾や教室の人たちを安心させることにあります。
月謝の滞納が発生すると塾や教室の人たちは「月謝を踏み倒すのではないか」と不安になるので、彼らの不安を和らげるために相談を行なうのです。
また滞納そのものは相手に悪い印象を与えるので、「今は滞納しているが、返済する意志はある」ということを示しておき、悪い印象を軽減させる目的もあります。
そのため相談するときは「月はじめにはお金が得られるのでそのときに返済する」など具体的な返済時期も加えるようにしましょう。
カードローンなどで借金してから月謝を支払う
現在ではカードローンやキャッシングなど、簡単にお金を借りる手段が登場しているので、借金を利用して滞納していた月謝を返済するという方法もあります。
お金を借りる手段が豊富になった影響で、申請してから数時間以内にお金が借りられるようになど、借金の使い勝手もまた向上してきています。
ただ借りやすいとはいえ借金であることには変わりないので、将来的には完済しないといけません。
返済用のお金を稼ぐためにパートを行なうなど、借りたお金をどうやって返していくのかに関してもしっかりと考えておく必要があります。
ポイント
月謝を滞納してしまったら支払う意思を示して塾と相談する
一時的に借金で月謝を賄うことも検討してみる
借金返済によって月謝が支払えないなら借金を減額することが最も大事
返し終えないうちからまた借りるとアッという間に膨れ上がるのが借金
借金をすればすぐにお金が用意できるので、比較的簡単に月謝の滞納が解決できます。
ただし借金をするときは「月謝だけでなく借金そのものも返済していく」ことには注意してください。
借金をすると毎月の費用の中に借金の返済というものも追加されます。
収入が充分にあればよいのですが、もしも返済を含む支出のほうが多い場合は、借金返済のためにさらに借金をするということを招きかねません。
借金の返済目的で借金を重ねていくと多重債務に陥り、どうにもならない状態に陥る恐れがあります。
限度いっぱいまで借りていると次はヤミ金に手を出してしまう
平成22年6月より改正貸金業法が施行されたことにより、現在の借金額が年収の3分の1以上あったら、新たに借金ができないようになりました。
ですがそれでも借金をしたい人という人もおり、そうした人たちがお世話になるのがヤミ金業者です。
ヤミ金は貸金業として正規に登録をしていない貸金業者を表しています。
想定している顧客が多重債務者や債務整理などであることから、10日で1割などの異常に高い違法な利息が設定されていたり、脅迫および嫌がらせも辞さない取り立て行なわれたりなど、法律に反する行為をしてくることも多いです。
ヤミ金で借金をすると、違法な取り立てなどで精神的に大きなダメージを受けてしまうことがあるため、利用は絶対に避けなければいけません。
子どものためにも借金問題の一刻もはやい解決を
借金問題は大人の問題だけでなく子供にも少なくない影響を与えます。
多額の借金をしているということは、家にあるお金が不足しているということであり、塾に通えなくなるなど子供が学習する機会を奪ってしまったり、必要な入学金や授業料が用意できないなど進学に支障がでてしまったりすることがあるからです。
また正規の金融機関からの取り立てであれば、法律の範囲内での取り立てが行なわれることから子供に与える精神的なダメージは比較的少ないですが、法律を平気で無視するヤミ金から借金をしていた場合は、過剰な取り立てが行なわれるので子供も精神的および身体的に深刻なダメージを与えてしまう恐れあります。
自分だけでなくお子様のためにもなるべく早く借金問題を解決するようにしましょう。
ポイント
借金問題の相談は法の専門家である弁護士へ
返済できる金額内であればともかく、年収の3分の1以上など自力で返済しきれないような借金を抱えてしまうと、自力での解決は困難です。
そうした返済できない借金は、個人再生や自己破産など債務整理で対応する必要があります。
債務整理は裁判所や貸金業者との交渉があるので自分の力だけで行なうのは難しいため、必ず弁護士などの専門家に相談や依頼をするようにしてください。